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News Release

『ホテル・インベストメント・アウトルック2009』 - 2008年の世界のホテル売買取引総額は240億米ドルに

金融危機を受けて前年比79%減


[2009年2月10日 東京発] 世界有数のホテル投資アドバイザーであるジョーンズ ラング ラサール ホテルズ(本部 英国ロンドン、グローバルCEO アーサー・デ・ハースト)は、2008年の世界におけるホテル売買取引総額は、240億米ドル(約2兆5千億円)となり、過去最高の1,130億米ドル(約13兆3千億円)を記録した、2007年の実績比で79%の減少になったと発表しました。 これは継続する信用収縮、および、冷え込んだ世界経済の影響によるものです。
 
また、2009年の売買取引は、短期的にはマーケット状況の回復は望めないため、更に減少し、2001年から2003年の取引水準に相当する、180-200億米ドルに留まると予測しました。
 
これは同社が最近発刊した年次の調査レポート『ホテル・インベストメント・アウトルック2009(Hotel Investment Outlook 2009』で明らかになったものです。同レポートでは、2008年の世界におけるホテル投資活動(対象は南北アメリカ:1千万米ドル以上、ヨーロッパ・中東・アフリカ(EMEA):1千万ユーロ以上、アジア・パシフィック地域:5百万米ドル以上の取引案件)を調査・分析し、その実績、および、傾向を総括、また2009年の投資活動に関する予測を行っています。

グローバル
2008年の地域別取引実績に目を転じると、金融危機の震源地であった米国を擁する、南北アメリカが最も大きな落ち込みを記録しており、前年比81%減少の91億米ドルとなりました。次いで、アジア・パシフィック地域が前年比77%減少の28億米ドルとなっています。一方、EMEAは前年比58%減少の120億米ドルとなり、3地域の中で比較的金融危機の影響が小さいといえます。 同地域のホテル投資に対する投資家の強い意欲は、昨年12月発表の『ホテル投資家動向調査(17号)』においても、世界で唯一、EMEAにおいて投資家の「取得」意向が主流になるという形で表れていました。
 
投資家タイプとしては、過去3年間、ホテル投資活動をリードしてきた、プライベートエクイティファンドが、多くのマーケットで売り手に転じました。一方、生・損保等の機関投資家、いくつかの政府系ファンド(SWF)、そして個人投資家(HNWI)が主要投資家として浮上しました。
 
同社グローバルCEOを務めるアーサー・デ・ハーストは、「2009年前半の投資活動は、2008年後半と同様の動きのないものになると予想される。しかし、2009年後半には、ホテル資産を保有する投資家の中には、価格的には低い水準にあっても、資産売却、もしくは、保有ホテル・ポートフォリオに関する戦略的決断を下すことを迫られる場合もあると思われ、ホテル投資マーケットにおいても、動きが見られるようになるだろう」と予測しています。
 
またデ・ハーストは「オポチュニスティック(ハイリスク・ハイリターン追求型)投資家は、不良債権となったホテル資産が続々とマーケットに出るのを期待していると思われるが、一般に、オーナーが弱含みのマーケットで資産を売却したがらないために、当社では今年中にその現象が起こるとは見ていない。ただし、今年中には数件の、一流立地の優良ホテル資産が売却される可能性があると見られ、その取得競争は激しくなるだろう。 それ以外は、2006年から2007年にかけて発行された大量の証券化商品は、2011年から2012年に償還を迎えるために、リファイナンスに関連する動きはその頃になると思われる」と述べています。
 
アジア・パシフィック地域
アジア・パシフィック地域の2008年の取引実績28億米ドルのうち、その64%となる18億米ドルの取引が年前半に行われ、年後半には、10億米ドルと大きく減少しました。
 
国別の取引実績では、前年同様、日本が最も高く、総額12億米ドル(約1,240億円)の売買取引が行われ、これは同地域での総取引の43%を占めました。 またこの実績には、2008年同地域で最大の取引となった、GICによるウェスティンホテル東京の取得(2008年2月、770億円)が含まれています。 次いでオーストラリアが同地域内で2番目に高い取引実績(6億米ドル、同地域での総取引の21%)となりました。
 
2006年から2007年にかけてホテル売買取引の主流であった、ポートフォリオ取引は、2008年には殆ど行われませんでした。これは、融資マーケットが冷え込む中、投資家が大型のポートフォリオ取引(1億米ドル以上の規模)を行うための十分な借入金を確保するのが困難だったためです。
 
同社東京オフィスのマネージング ディレクターである沢柳知彦は、「2009年前半のアジア・パシフィック地域の売買取引は、前年同様、低調に留まるものと思われる。 取引の成立は、買収資金融資市場の正常化と、売却希望価格が買主の期待するレベルまで調整されるかどうかにかかっている。 また、投資家タイプは、これまでマーケットを牽引してきた投資ファンドではなく、より地域に根ざした域内・国内の一般事業会社が主流になるだろう」と予測しています。
 
また沢柳は「世界の投資家は、未だ東京のホテル取得に高い意欲を持っているが、東京の著名なホテル物件の多くは、安定した財務基盤の国内の優良企業が所有しており、それらが短期的将来に売却される期待は薄い。一方、日本の地方都市やリゾートに物件を保有する投資ファンドの多くが、ここ1-2年の間に買収資金ローンの償還期日の終わりを迎える。現在の不動産市況・運営パフォーマンスの低迷、および、リファイナンスの困難さにより、売却圧力は高まると目される。今年後半には、売却活動が顕著になる可能性がある」と述べています。