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News Release

Tokyo

東京オフィス賃料12四半期連続で上昇、大阪の空室率は3四半期連続で大幅に低下

ジャパン プロパティ ダイジェスト 2015 年第1四半期(1‐3月)


2015年5月14日 東京

総合不動産サービス大手のJLL(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 河西利信)は、日本のオフィス、リテール、ロジスティクス、ホテル市場における市況、需給や空室状況、賃料・価格動向及び12ヵ月予測をまとめた調査レポート「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD)2015年第1四半期」を発表しました。セクター別の概要は、以下の通りです。

東京のAグレードオフィス市場
賃料
12四半期連続の上昇
月額坪当たり33,884円(共益費込)となり、前期比1.5%、前年比5.0%の上昇となり、12四半期連続の上昇となった。空室率の低下等によりオーナーが自信を深める新宿と渋谷が上昇を牽引している。

空室率
依然低水準で推移
空室率は3.0%。前期比横ばい、前年比0.7ポイント低下となった。大手町・丸の内、赤坂・六本木は引き続き1%台で推移した。

ネット・アブゾープション※1 
第1四半期は120千㎡で前期に続きプラスとなった。丸の内・大手町、赤坂・六本木でみられた小規模な縮小を上回る大規模な空室消化が品川、新宿サブマーケットにてみられた。

供給
第1四半期のストックは、前期比1.9%の増加となった。当四半期に、32階建て、基準階面積5千㎡、免震構造を採用した環境配慮型ビル「品川シーズンテラス」(貸床面積130千㎡)が新規供給された。

価格・投資利回り
投資利回りの低下と賃料上昇とを反映して価格は上昇加速
価格は前期比5.2%、前年比19.7%の上昇となり、12四半期連続の上昇となった。取引事例にはアクティビア・プロパティーズが東急不動産より取得した「汐留ビルディング」(共有持分15%)が挙げられる。取得価格は303億円、投資利回りは4.1%となった。

12ヵ月見通し
賃料、価格ともに上昇、投資利回りは低下
2015年の価格は、一層の投資利回りの低下と賃料上昇とが牽引して上昇する見通し。新規供給は過去10年平均並みで、予約契約率は順調であること、さらに新規供給の一部が2016-2017年から2018-2019年へと先送りされたことから、空室率は現状の低位を維持する見通し。

※1当期中に新たに賃貸された床面積から当期中に退去した床面積を控除したネットの床面積の増減


大阪のAグレードオフィス市場
賃料
3四半期連続で上昇
月額坪当たり16,009円(共益費込)。前期比2.1%、前年比2.9%の上昇となり、3四半期連続で上昇した。経済状況の好転と空室率の低下を受けてオーナーは自信を深めている。

空室率
3四半期連続で低下
空室率は7.8%。前期比0.3ポイント、前年比2.5ポイントの低下となり、3四半期連続で低下した。最も下げ幅の大きかったサブマーケットは梅田となり、次いで中之島、御堂筋でも空室消化が見られた。

ネット・アブゾープション
第1四半期は57千㎡。堂島にて「新ダイビル」が予約契約率90%で竣工し、単体で38千㎡を空室消化した。中津、梅田でも賃貸借面積の増加がみられた。

供給
第1四半期のストックは、前期比3.4%の増加となった。当四半期に、31階建て、基準階面積1.6千㎡の「新ダイビル」(貸床面積56千㎡)が竣工した。

価格・投資利回り
価格は6四半期連続の上昇、上昇率が加速
第1四半期の価格は、前期比4.6%、前年比15.0%の上昇となり、6四半期連続の上昇となった。投資家の関心が高まるなか、低下する投資利回りと本格的な賃料上昇とを反映し、上昇率が加速している。当四半期には、ジャパンリアルエステイトが「梅田スクエアビルディング」を取得。取得価格は155億円、投資利回りは4.4%となった。

12ヵ月見通し
賃料、価格ともに上昇、空室率は低下
経済状況の改善を受けて、企業のビルスペックや立地改善需要は堅調となる一方、新規供給は過去10年平均比90%程度に抑制され、空室率は低下する見通し。投資利回りの一層の低下と本格的な賃料上昇とに牽引され、価格は上昇する見通し。

JLLリサーチ事業部長の赤城威志は、次のように述べています。
「東京、大阪ともにAグレードオフィス賃料の上昇が継続しています。これを反映して、投資市場の活発さも増しており、特に大阪市場ではここ数年ほとんど見られなかった大型オフィスビルの売買が多く見られてきています。先行して利回り低下が見られた東京市場に続いて、今後は大阪市場も利回りの更なる低下による価格上昇が予想されます。」


東京のリテール(商業施設)市場
賃料
10四半期連続上昇
月額坪当たり73,153円(共益費込)。前期比5.7%、前年比9.6%の上昇となった。1階賃料に牽引され、銀座は月額坪当たり250,000円、表参道は同210,000円へと、ともに大きく上昇した。主に需給のひっ迫を反映した。

価格・投資利回り
6四半期連続で上昇、上昇率が加速
価格は前期比12.8%、前年比25.9%の上昇となり、上昇率が加速した。力強い賃料上昇と、投資家の関心が高まる中、低下を続ける投資利回りを反映した。

12ヵ月見通し
賃料上昇と投資利回りの低下が価格の上昇を牽引
2015年の個人消費は前年比0.8%増と堅調に推移し、また、訪日外客数が2020年までに2000万人達成に向けて順調に増加(2014年に前年比29%増)しているのに伴い、旅行消費額(同43%増)も増加する見通し。このような環境下、2015年は本格的な上昇が記録された地価、需給のひっ迫等に下支えされて加速する賃料上昇等を反映して、価格が上昇する見通し。良好な投資環境下、投資利回りは一層低下する見通し。


東京のロジスティクス(物流)市場
賃料
15四半期連続上昇
月額坪当たり4,133円(共益費込)。前期比3.5%、前年比5.0%の上昇となり、東京ベイ・東京内陸ともに賃料上昇が加速した。旺盛な需要を背景に空室率が低下し(既存物件)、オーナーが自信を深めている。建築費高騰も一因となった。

ネット・アブゾープション
第1四半期は187千㎡。東京ベイでは千葉にて、内陸部では神奈川にて賃借面積が増加。ともに当四半期に竣工した大型の新規供給による吸収を反映した。

需要
新築物件に対する旺盛な需要が続き、3PL、製造業、小売業者等が賃借活動を行った。特筆すべきは3PL業者で、1社で1棟のマルチテナント型物流施設を賃借する事例が複数みられた。これには、富士ロジテックによる「ランドポート厚木金田」(延床面積39千㎡)の賃借が含まれる。

価格・投資利回り
価格は大幅上昇
価格は前期比6.5%、前年比17.5%上昇した。賃料の上昇加速と投資利回りの一層の低下を反映して、上昇率が加速した。当四半期の投資事例には大和ハウスリートが取得したポートフォリオが挙げられ、東京圏に所在する6物件の総額は387億6000万円、投資利回りは5.0-5.4%の範囲となった。

供給
第1四半期のストックは前期比6.4%の増加となった。新規供給をサブマーケット別にみると、東京ベイでは「グッドマン市川」(延床面積75千㎡)、東京内陸では「ロジポート橋本」(延床面積157千㎡)が竣工した。

12ヵ月見通し
賃料上昇が価格を牽引する見通し
持続的な強い需要と低位な空室率による賃料上昇、投資利回りの低下、建築費の高騰を背景に、価格は上昇が加速する見通し。


東京のホテル市場
需要
訪日外客数の増加が強い国内宿泊需要を牽引
訪日外客数は2015年初来2月までの累計で前年同期比42.8%増の260万人となった。なかでも、前年比で99.2%の増加となった中国からの訪日客による影響が大きい。2014年9月に数次ビザの発行要件が緩和されたインドネシア、フィリピン、ベトナムといったアジア諸国からの訪日客数も堅調に増加している。アベノミクス効果により、2013年以降は国内客の宿泊需要もビジネスおよびレジャーの双方において好調さを維持している。円安に伴う海外旅行費の上昇と格安航空会社の国内路線網の拡大も国内における宿泊需要を潤している。

供給
4ツ星、5ツ星ホテルの新規供給はなし
第1四半期は、4ツ星ホテルおよび5ツ星ホテルの新規供給はなかった。5ツ星ホテルは、2015年の開業はないが、2016年に2軒の開業が予定されている。「星のや東京」が客室数84室の高級旅館として丸の内エリアに、また、客室数250室の「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」が旧グランドプリンス赤坂跡地にそれぞれ開業を予定している。 4ツ星ホテルの開業としては、「二子玉川エクセルホテル東急」が客室数109室の小規模ホテルとして2015年夏に開業を予定している。2015年はその他の4ツ星ホテルの開業は予定されていない。 

運営パフォーマンス
RevPARは2012年第2四半期以来成長軌道
東京の5ツ星ホテルの運営パフォーマンスは、1日当たり販売可能客室数当り宿泊売上(RevPAR)が2015年初来2月までの累計で前年比11.9%の増加と、昨年からの成長が持続している。これは、客室稼働率と平均客室単価(ADR)の双方が上昇したことによる。また、年移動平均でRevPARは2012年第2四半期以来、継続して成長軌道にある。 

売買
東京の4ツ星及び5ツ星ホテルの取引は見られなかった。ジャパン・ホテル・リート投資法人が、宿泊主体型ホテル5ホテルで構成される赤坂見附(122室)、池袋(175室)、お茶の水(72室)、八王子(196室)、博多(175室)のザ・ビーホテルポートフォリオを200億円で取得した。

12ヵ月見通し
短期的にはADR 上昇が RevPARの継続成長を牽引
宿泊需要は国内客及び海外客の双方においては引き続き成長が見込まれる。国内客は全国的な景況の改善、海外客は過去最高水準にある訪日外客数が需要を後押しすると見られる。稼働率は既に高水準にあり、今後はADR上昇がRevPAR上昇を牽引する形となる見通し。今後もRevPARの持続的な上昇が見込まれることから、ホテル投資マーケットにおいては、今後もキャップレートの低下が予測される。

JLLホテルズ&ホスピタリティ事業部 マネージングディレクターの沢柳知彦は、次のように述べています。
「好調なホテル運営マーケットを背景に、中期的なキャッシュフロー増加を織り込んだ売買価格が形成されるようになってきており、結果として直近NOIに対するキャップレートは低下しています。また、投資家によるホテル投資への興味が増す一方、キャッシュフロー成長を享受できるような大型ホテル投資案件が少なく、投資機会の希少性もキャップレート低下の一因となっているようです」

【補足】
本レポートの日本での調査対象地区は次の通りです。
東京CBD(中心業務地区):千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
大阪CBD(中心業務地区):中央区、北区
東京リテール:銀座と表参道のプライムリテールマーケット
東京ロジスティクス:東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県の一部)
東京ホテル:特段の説明がない限り東京所在の5ツ星ホテルマーケット




JLLグループについて
JLLグループ(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、包括的な不動産サービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。世界80ヵ国、従業員約58,000名、230超拠点で展開し、年間の手数料収入は約47億米ドル、総売上高は54億米ドルに上ります。2014年度は、プロパティ・マネジメント及び企業向けファシリティ・マネジメントにおいて、約3億1,620㎡(約9,486 万坪)の不動産ポートフォリオを管理し、1,180億米ドルの取引を完了しました。JLLグループで不動産投資・運用を担当するラサール インベスト マネジメントは、総額553億米ドルの資産を運用しています。JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インクの企業呼称及び登録商標です。

JLLのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在16ヵ国、81事業所で30,000名超のスタッフを擁しています。2014年インターナショナル・プロパティ・アワード・アジア・パシフィックでは7ヵ国・地域で「最優秀不動産コンサルタント賞」を受賞、 また2013年ユーロマネー・リアルエステート・アワードにおいては9つの賞を受賞しました。