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News Release

2009年第3・四半期不動産調査レポートを発表

オフィス需要は引き続き低迷、賃料は底値に近付く


2009年11月24日発信 ジョーンズ ラング ラサール株式会社(本社 東京都千代田区永田町、代表取締役 濱岡 洋一郎)はこのたび、東京を中心とした不動産市場の需給、空室状況、賃料・価格動向等を独自に分析するとともに、12ヶ月の予測をまとめた調査レポート『2009年第3・四半期アジア・パシフィック・プロパティ・ダイジェスト日本版(APPD)』を発表しました。

  2009年第3・四半期の東京オフィス市場の概観として、1)テナント需要は依然として低迷しているものの、割安となったAグレードオフィスビルに移転して業務効率の向上を進める動きが見られた、2)Aグレードオフィスビルの空室率はテナント需要の減退を受けて、第2・四半期から0.2ポイント上昇し5.8%となった、3) 第3・四半期の坪当たりの平均月額賃料は前期比-6.9%で、前年同期比-29.4%の31,753円と6四半期連続で下落した、4) 売買市場については、売主と買主の希望取引価格の乖離が続いているため取引総額が依然として低迷している。賃料の下落を受けて価格も下落基調で推移していることからその差は徐々に縮まりつつある、5)今後12ヶ月の見通しとして、GDP成長率等の指標は経済状況の悪化に歯止めがかかりつつあることを示唆しているものの、設備投資は5四半期連続で減少が続く等先行きの不透明感は根強いため今後も拡張需要は低迷するであろう。また、Aグレードオフィスの賃料水準がピーク時から約3割以上下落して割安感が生じたことを好機ととらえ、当該オフィスに移転・集約して業務の効率化を進める動きは今後も見られる可能性があるが、これは賃料が底値に近付いてことを反映していると考えられる――としています。
 
  2009年第3・四半期の大阪のオフィス市場の概観として、1)景気減速による業績悪化を受けてテナント需要は引き続き低迷している。拡張需要は大手法律事務所、監査法人等で稀に見られるものの、市場全体では統合・縮小・解約が増加しているため空室率の上昇が続いている、2) 空室率は第2・四半期から0.5ポイント上昇して6.7%となった、3)第3・四半期の坪当たりの平均月額賃料は前期比-8.7%、前年同期比-31.3%の12,923円と、2桁の下落幅を記録した前四半期と比較すると縮小傾向にあるものの下落幅は依然大きい、4) 今後12ヶ月の見通しとして、近畿地域の鉱工業生産の持ち直しや個人消費が横ばいで推移していることは地域経済が底を打ちつつあることの裏付けであるが、雇用情勢の急速な悪化が続くなど深刻な状況が続いている。したがって、テナント需要の本格的な回復は経済の先行き不透明感が払しょくされ、企業業績が改善するまで待つことになるであろう。賃料については、空室率の上昇が続く中で底の見えない状況が続いている。今後も大量供給が予定されている大阪マーケットは、空室がある程度消化されるまで軟調な状態が継続すると予想される――としています。
 
 2009年第3・四半期の東京の物流市場については、自動車部品関連会社を始めとして需要は低迷しているものの、インターネット等を活用した通信販売業者の拡張需要が一部で見られ、また効率的な物流を推進する動きに支えられて食品関連会社や3PL業者等の移転が見られました。今後12ヶ月の見通しとしては、設備投資や個人消費の弱含みは継続しているため、物流量の持続的な回復には相当の時間がかかる見込みで、当座のテナント需要は物流拠点の集約や統合により物流コストの削減を推進する企業などに支えられるものと考えられます。また、企業のサステイナビリティや二酸化炭素の排出量削減への関心の高まりは、今後新たな需要を牽引するものと考えられます。
 
  また、J-REIT市場については、2009年9月末時点で41銘柄が上場しており、時価総額は2.9兆円、資産総額は7.9兆円と小幅の増加となりました。今期新たに上場した銘柄はありませんでしたが、9月下旬にJ-REIT指数は987.34となり、2008年10月の水準までほぼ回復しました。不動産市場安定化ファンドの設立に向けた動きを背景として、第2四半期以降緩やかな上昇基調が続く中、当四半期の変動幅は小さく安定的に推移しました。

  弊社リサーチ&アドバイザリー部門の責任者でローカル・ダイレクターの赤城威志は、「ビルによっては賃料が前回の底である2003-04年頃の水準にまで調整が進んでいることから、移転余力のあるテナントは今がチャンスとみて動き始めており、これが一部サブマーケットにおけるファンダメンタルズの改善をもたらしている。また、売買市場においても、投資家のセンチメントは着実に改善方向に変化しつつあり、公募増資に踏み切るJ-REITやM&Aが増加していることも、市場の転換点が近づきつつあることを示唆している」としています。
 
  アジア・パシフィック地域経済の特徴としては、1)アジア・パシフィック地域は世界の他地域より急速なペースで回復を遂げており、この改善は主に消費意欲の向上による個人消費の回復と、2008年第3四半期から2009年第1四半期にかけて急減した輸出の回復によるものである、2)域内の数カ国において、2009年第2・四半期に前四半期比プラス成長を記録したが、第3四半期のデータは成長トレンドの更なる加速を示しており、在庫積み増しや政府支援等の特別要因が2009年に残る期間の成長を支えると思われる、3)2010年の予想経済成長率は5.0%と大幅に改善されているものの、地域経済が外需に大きく依存していることが主な要因でその水準は2003年から2007年の平均を下回る。また、輸出の減少率は低下したものの先進国経済の需要に持続的な回復が見られるまで貿易取引は金融危機以前を下回る水準に止まるであろう――としています。
 
  アジア・パシフィック地域の不動産市場の現状としては、1)景気が回復し始めるにつれて、アジア・パシフィック地域の主要不動産市場も底に近付いている兆候が見られる。賃料は多くの市場で未だ下落が続いているものの、ここ数四半期にわたる大幅な下落により、テナントに魅力的な賃料水準の案件が見られるようになっているため、下落率は縮小している、2) 景気回復に対する確信が増すとともに低金利が維持されたことにより2009年第3四半期は投資家のセンチメントが改善された。上海とシンガポールを含む一部のオフィス市場では、取引量の増加が見られた。国内投資家、特に低い利回りをあまり懸念しない自用目的の買い手が市場を席巻しており、外国人機関投資家は競争力がない。オーナーもデベロッパーも現在の価格水準では売り急いでいないため、リテール市場の取引は依然として全般的に低調である。全体としては、価格は2009年第3四半期に前四半期比で若干下落している(東京CBD: 前四半期9.7%下落、シンガポールのラッフルズ・プレイス:同5.6%下落)。中華圏のオフィスはトレンドに反映して価格が上昇し始め、特に現地投資家が力強い買いを牽引した上海(10.9%上昇)と香港(10.4%上昇)でこれが顕著であった。多くのオフィス市場では投資活動の増加に伴い利回りが安定化ないし若干低下したが、シンガポールと香港では初期利回りが当四半期を通じて40bpから50bp低下した、3) 賃貸市場では、当四半期にほとんどの市場で下落が続いたが、シンガポールを除いては安定化し始めている。多くの主要オフィス市場では、現在の賃料変動サイクルにおいてこれ以上大幅な下落は見られないであろうが、ファンダメンタルズの改善は全般的に緩やかなものになると考えられる、4) 主要オフィス市場の賃料と価格は既にピークから30-60%下落しており、さらに2009年第3四半期の賃料と価格は一層下落して長期平均の水準に近付いたため、多くの市場においてサイクルの底が遠くないことが示唆されている。供給過剰となる市場を除けば、域内の多くの不動産市場は2010年に底を打ち、2011年以降は成長トレンドを回復する見通しである――としています。
 
ジョーンズ ラング ラサールについて
ジョーンズ ラング ラサール(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に特化したプロフェッショナルなサービス会社で、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、国内外を問わず世界中で広範囲な知識を有する専門家が、不動産に関するサービスを提供しています。グループの2008 年度の収益は約27 億ドルで、全世界の60 カ国、750 以上のマーケットにおいて180以上のオフィスを持ちビジネスを展開しています。 また、プロパティサービス及び企業向けファシリティマネジメントサービスにおける世界のリーディング カンパニーとして、約1 億3,000万平方メートル(3,934万坪)の不動産を管理しています。 ジョーンズ ラング ラサール グループにおいて不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネージメントは、総額約370 億ドル以上の資産を運用しています。詳細な情報はホームページをご覧下さい。
http://www.joneslanglasalle.co.jp
ジョーンズ ラング ラサールのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在では13ヶ国に74 の拠点を持ち、17,200名以上のスタッフがビジネスを展開するに至っています。