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News Release

Tokyo

東京オフィス賃料は10四半期連続で上昇 大阪の賃料は13四半期ぶりに反転

ジャパン プロパティ ダイジェスト 2014年第3四半期(7‐9月)


​​​​​​​2014年11月6日 東京

 
総合不動産サービス大手のJLL(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長 河西利信)は、日本のオフィス、リテール、ロジスティクス、ホテル市場における市況、需給や空室状況、賃料・価格動向及び12ヵ月予測をまとめた調査レポート「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD)2014年第3四半期」を発表しました。セクター別の概要は、以下の通りです。

 
東京のAグレードオフィス市場
賃料
10四半期連続の上昇
月額坪当たり33,272円(共益費込)となり、前期比1.5%上昇、前年比4.8%上昇。大手町・丸の内、日本橋等が上昇をけん引している。

 
空室率
4四半期連続3%台で推移
空室率は3.9%(前期比0.2ポイント上昇、前年比0.5ポイント低下)。上昇は2四半期連続となった。サブマーケット別にみると、大手町・丸の内、赤坂・六本木が引き続き3%前後と低い水準で推移した一方、汐留で空室が増加した。

 
ネット・アブゾープション※1 
第3四半期は-19千㎡。5四半期ぶりのネガティブ・アブゾープションとなった。ただし、専門サービス業、情報通信業等のセクターでは拡張需要がみられた。

 
供給
第3四半期に新規供給はなかった。

 
12ヵ月見通し
空室率は一層低下、賃料は引き続き緩やかに上昇
Aグレードオフィス需要は、建物の新旧により強弱が見られるものの概ね堅調に推移する見通しである一方、2015年の新規供給は過去10年平均並みとなる見通しである。したがって、空室率は低下傾向で推移し、今後12ヵ月にかけて賃料は引き続き緩やかな上昇基調を維持する見通しである。

 
※1当期中に新たに賃貸された床面積から当期中に退去した床面積を控除したネットの床面積の増減

 

 
大阪のAグレードオフィス市場
賃料
13四半期ぶりに上昇
月額坪当たり15,621円(共益費込)。前期比0.8%、前年比0.1%上昇となり、設備投資の増加、輸出の増加等を背景とした市況の改善を反映して、13四半期ぶりの上昇となった。梅田、堂島を含むエリアで反転がみられている。

 
空室率
梅田エリアの稼働率向上を背景に空室率は大幅低下
空室率は8.6%。前期比1.8ポイント、前年比3.9ポイントの低下となった。稼働率が向上した「グランフロント大阪」等を擁する梅田の空室が大幅に減少した。

 
ネット・アブゾープション
第3四半期は29千㎡。企業の設備投資の増加、労働市場の改善等を背景に、情報通信業、専門サービス業、製造業を含む企業がオフィス賃借を行った。移転理由は業務拡大、交通利便性の向上、人員増対応等となっている

 
供給
第3四半期に新規供給はなかった。

 
12ヵ月見通し
賃料、価格ともに緩やかに上昇
日本銀行の10月の近畿短観によると、大企業製造業の業況判断は引き続き楽観的となっており、7月調査から改善し、さらに短期見通しも改善を示している。こうした経済状況は賃貸市場の需要を下支えする見通しである一方、第4四半期の新規供給は「新宇治電ビルディング」1棟、2015年は過去10年平均比80%程度と比較的抑制される見通しである。したがって、今後12か月にかけて空室率は低下、賃料は緩やかに上昇する見通しである。
投資市場では、東京同様、低金利等良好な投資環境を背景に投資市場は引き続き活発化する見通しであることから、価格は緩やかに上昇する見通しである。ただし、市場に供される投資物件は引き続き稀少となる見通しである。

 
JLLリサーチ事業部長の赤城威志は、次のように述べています。
「東京Aグレードオフィスの継続的な賃料上昇とともに、大阪Aグレードオフィスにおいても、今期ついに賃料が上昇に転じました。これまでも将来における大阪市場の回復を見越した投資家の動きが一部で見られていましたが、今期賃料上昇が顕在化したことから、更なる新規投資家の参入による市場の活発化が期待されます。」​

 

 
東京のリテール(商業施設)市場
賃料
8四半期連続上昇
月額坪当たり69,128円(共益費込)。前期比1.2%、前年比4.8%とともに上昇し、8四半期連続の上昇となった。空室がきわめて限定的となっている銀座の1階賃料が4四半期連続の上昇となった一方、空中階は銀座・表参道とも引き続き横ばいとなった。

 
価格
4四半期連続で上昇
前期比3.3%、前年比13.0%上昇し、4四半期連続の上昇となった一方、投資利回りは2四半期連続の低下となった。良好な投資環境等を背景に、投資家の投資意欲は引き続き旺盛となっている。

 
12ヵ月見通し
限定的な新規供給により、引き続き賃料は緩やかに上昇
小売業者の出店需要は引き続き旺盛となる見通しである。これと限定的な新規供給が相まって、賃料は引き続き緩やかに上昇する見通しである。投資市場では、低金利等良好な投資環境が継続する見通しであることから、投資利回りの低下圧力と価格の上昇を下支えする見通しである。

 

 
東京のロジスティクス(物流)市場
賃料
13四半期連続上昇
月額坪当たり6,034円(共益費込)。前期比1.2%、前年比2.6%上昇し、13四半期連続の上昇となった。大型物流施設の建替えによる一時的な移転需要が一部反映した。

 
需要
需要は引き続き堅調
8月の指標は、消費税引き上げに伴う駆け込み需要の反動の影響や世界経済が本格回復に至っていないこと等から弱含みで推移しており、鉱工業生産は前年比2%の低下、輸出は前年同月比1.3%の減少となった。しかしながら、物流効率化促進の流れの中、第3四半期の需要は引き続き堅調となり、3PL事業者、アパレル・医薬品・飲食品等製造業がベイエリアと東京圏全体で活発な賃貸借活動をおこなった。

 
供給
第3四半期に東京ベイエリアにおいて新規供給はみられなかった。東京圏では内陸部で「三井不動産ロジスティクスパーク久喜」(75千㎡)、「Dプロジェクト加須」(延床面積20千㎡)、「Dプロジェクト久喜IV」(延床面積 19千㎡)が竣工した。

 
12ヵ月見通し
賃料は今後も緩やかに上昇
東京ベイエリアでは、最新型物流施設の需要は引き続き底堅く推移する一方、新規供給は引き続き抑制される見通しである。したがって、賃料は底堅く推移するであろう。ただし、東京圏では、2015年以降新規供給が続く見通しであることから、需給が緩み、賃料に影響を与える可能性がある。
 

 

 
東京のホテル市場
需要
訪日客数増加、国内レジャー需要に伴い堅調な伸び
訪日外客数は2014年初来8月までの累計で前年同月比25.8%増の8.6百万人となった。これは中国と台湾からの訪日客が前年比でそれぞれ84.0%と29.9%の大幅な増加となったことに起因する。タイとマレーシアからの訪日客もまた、2013年7月以降の観光ビザの規制緩和により、前年比でそれぞれ57.5%と54.0%の大幅な増加となった。2011年3月の震災以来のビジネス客及びレジャー客の国内宿泊需要も引き続き順調な回復を見せている。円安と格安航空会社の躍進も国内需要を後押ししている。

 
供給
今四半期では主要な4ツ星また5ツ星ホテルの新規開業はなかった。
2014年末までに、5ツ星ホテルの開業がもう一軒予定されている。客室数80室を備えるアマン東京は都内最高級ホテルとして2014年中に開業予定である。2014年第2四半期には、既に5ツ星ホテルで客室数164室を有するアンダーズ東京虎ノ門ヒルズが開業している。また、東京における主要な宿泊主体型ホテルでは、2014年12月に329室を有するミレニアム三井ガーデン銀座東京が、国内初のミレニアムブランドのホテルとして、三井ガーデンホテルズとの共同ブランドで開業を控えている。

 
 
運営パフォーマンス
RevPAR※2、ADR※3ともに前年同期比で二桁の上昇
東京における5ツ星ホテルの運営パフォーマンスを見てみると、1日当り販売可能客室数当り宿泊売上(RevPAR)が年初来8月までの累計で前年同期比14.7%の増加となっている。これは客室稼働率と平均客室単価(ADR)がそれぞれ3.3%ポイントと10.0%伸びたことによる。また、平均客室稼働率は、過去7年間で最高の80%を上回る水準となった。年移動平均では、RevPARは2011年3月に発生した東日本大震災の影響が和らいだ2012年第2四半期から当期にかけて成長軌道を描いている。 

 
※2  1日当たり販売可能客室数当り宿泊売上
※3  平均客室単価

 
12ヵ月見通し
短期的にはADRの上昇がRevPARの成長を牽引
2011年以降の訪日外客数の堅調な伸びにも支えられ、国内外の需要は引き続き増加が見込まれる。客室稼働率は既に過去7年で最高水準まで回復していることから、短期的にはADR上昇がRevPARの伸びを牽引する形となっている。2020年東京オリンピック開催が決定したことで、今後数年に亘って東京における客室需要と供給の伸びが見込まれる。新たなホテル開発が計画され、既存のホテルはADRの上昇により恩恵を受けるだろう。

 
JLLホテルズ&ホスピタリティ事業部 マネージングディレクターの沢柳知彦は、次のように述べています。
「日本人レジャー需要の国内旅行へのシフトおよびインバウンド需要拡大が継続中で、消費増税の影響はあまり観測されていないようです。ホテル投資マーケットも活況を呈しており、短期的にキャッシュフロー増加が見込めるホテル資産が人気を博しています」

 
【補足】
本レポートの日本での調査対象地区は次の通りです。
東京CBD(中心業務地区):千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
大阪CBD(中心業務地区):中央区、北区
東京リテール:銀座と表参道のプライムリテールマーケット
東京ロジスティクス:主に東京都のベイエリア(品川区、大田区、江東区)
東京ホテル:特段の説明がない限り東京所在の5ツ星ホテルマーケット

 

 

 

 

 
JLLグループについて
JLLグループ(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、包括的な不動産サービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。世界75ヵ国、従業員約53,000名、200超拠点で展開し、年間の手数料収入は約40億米ドル、総売上高は45億米ドルに上ります。2013年度は、プロパティ・マネジメント及び企業向けファシリティ・マネジメントにおいて、約2億8,000万㎡(約8,470 万坪)の不動産ポートフォリオを管理し、990億米ドルの取引を完了しました。JLLグループで不動産投資・運用を担当するラサール インベスト マネジメントは、総額530億米ドルの資産を運用しています。JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インクの企業呼称及び登録商標です。

 
JLLのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在16ヵ国、80事業所で28,000名超のスタッフを擁しています。2014年インターナショナル・プロパティ・アワード・アジア・パシフィックでは7ヵ国・地域で「最優秀不動産コンサルタント賞」を受賞、 また2013年ユーロマネー・リアルエステート・アワードにおいては9つの賞を受賞しました。