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News Release

2009年第2・四半期不動産調査レポートを発表

賃料下げ止まりの期待感などから一部拡張需要が見られる


2009年9月9日発信 ジョーンズ ラング ラサール株式会社(本社 東京都千代田区永田町、代表取締役 濱岡 洋一郎)はこのたび、東京を中心とした不動産市場の需給、空室状況、賃料・価格動向等を独自に分析するとともに、12ヶ月の予測をまとめた調査レポート『2009年第2・四半期アジア・パシフィック・プロパティ・ダイジェスト日本版(APPD)』を発表しました。

 2009年第2・四半期の東京オフィス市場の概観として、1)テナント需要は減退しており、賃料削減を目的とした集約や縮小が移転目的の大勢を占めた。しかし、経済指標の改善からくる賃料下げ止まりの期待感やピーク時から約30%下落した割安感に着目して動き出した企業による拡張需要も一部で見られた、2)Aグレードオフィスビルの空室率はテナント需要の減退を受けて、第1・四半期から0.5ポイント上昇し、5.6%となった。また、今期は、通年の新規供給の約3/4に相当するオフィススペースが大手町・丸の内サブマーケットに供給された、3) 第2・四半期の月額坪当たりの平均月額賃料は前期比-8.5%で、前年同期比-28.2%の34,088円と5四半期連続で下落した、4) 売買市場については、これまで金融危機により財務基盤を揺さ振られた企業による希少物件の放出が予測されてきたが、ようやく今期それが現実化の様相を見せ、日本生命がAIGより「AIG大手町ビル」を1,155億円で取得した、5)今後12ヶ月の見通しとして、今回特定のサブマーケットではあったが、金融危機の影響が残る状況下において、市場予測を上回る高値で売買取引が成立した事例により、東京のAグレードオフィスマーケットの強さが証明され、市場の閉塞感が僅かながら解消している。先行きについては、企業業績に改善の見通しがたっていないことから、今後も賃料は下落基調で推移するものの下落率は徐々に縮小してゆくと考えられる――としています。
 
 2009年第2・四半期の大阪のオフィス市場の概観として、1) 企業収益の大幅な悪化による設備投資額の減少を背景として、テナント需要は前期に引き続き弱含みで推移した。賃料削減を目的とした移転が大勢を占めており、支店の統廃合やオフィスビルのダウングレード等の事例が見られた、2) 空室率は第1・四半期から1.3ポイント上昇して6.2%となった、3)第2・四半期の月額坪当たりの平均月額賃料は前期比-10.3%、前年同期比-27.9%の14,148円と、4四半期連続の下落となった、4) 今後12ヶ月の見通しとして、大型供給のあった第1・四半期よりも新規供給のなかった第2・四半期において空室率が大きく上昇し、第2・四半期に需要が大幅に減退した現状を顕著に示した。過去数年における大阪マーケットの賃料上昇幅は東京に比して緩やかであったことや今後の新規供給を調整する動きが出ていることは、賃料下落をある程度抑制すると考えられる。しかし、需要の更なる低迷を受けて、テナント獲得を目的とした賃料減額が一層加速する可能性も懸念される――としています。
 
 2009年第2・四半期の東京の物流市場については、テナント需要は昨年より続いている輸出入や生産の急速かつ大幅な減少を受けて、依然として弱含みで推移しています。移転目的の大勢は集約や縮小に占められる厳しい状況が続きました。今後12ヶ月の見通しとしては、現在対アジアの輸出はやや持ち直しの動きが見られますが、対米国、対EUの輸出入については大幅な減少が続いており、世界経済と密接な関係にある外需依存型の日本の物流業界においては、テナント需要の回復は暫く先のことになると考えられ、賃料・価格も暫く下落基調で推移するものと考えられます。
 
 また、J-REIT市場については、2009年6月末時点で41銘柄が上場しており、時価総額は2.9兆円、資産総額は7.8兆円となりました。今期新たに上場した銘柄はありませんでしたが、6月下旬にJ-REIT指数は976.07となり、年初来の最高値を更新して2008年10月の水準まで戻しました。主な要因は官民一体となったファンドの創設や日本政策投資銀行によるJ-REITへの資金供給の充実によるJ-REITの資金繰りの改善や業界再編への期待の高まりと考えられます。

 弊社リサーチ&アドバイザリー部門の責任者でローカル・ダイレクターの赤城威志は、「東京オフィス市場の賃料は引き続き下落しているものの、下落率は鈍化している。今後も空室率の拡大が予想されるが、一部のビルには割安感が出ていることを背景に大規模なテナントを確保するなど、市場の底打ちが近いことを示唆する動きも見られた。また売買市場では、現在の金融状況においてグローバルな観点でも異例といえる高額取引が実現するなど、日本のマーケットは最悪期を脱しつつある」としています。
 
 アジア・パシフィック地域経済の特徴としては、1)アジア・パシフィック地域では強力な政策介入が景気回復や消費意欲の改善につながった。各国中央銀行や低金利政策や大規模な資本注入を実施したことで、株価や各地の住宅市場は直近の底を打ってから反転はしているものの、依然としてこの回復基調が年内及びそれ以降も持続するものであるのかとの問いは残っている、2)域内の数カ国において、GDPは2009年第2・四半期に予想を上回る成長率が記録され、日本、香港、台湾、シンガポール、タイの各国は、現時点においては、景気後退期から脱している模様である、3)企業の景況感や消費者態度の改善、在庫調整の進展、各国政府による支援策は、域内の2009年下半期の経済成長を加速させるとみられている――としています。
 
 アジア・パシフィック地域の不動産市場の現状としては、1)世界経済が安定するにつれて、域内の不動産市場も今回のサイクルにおける底に接近している。特に2009年第1・四半期の急激な調整以降、賃料の下落率は主要オフィス市場において縮小を始めている、2)売買市場では、銀行が依然として不動産融資に対する慎重姿勢を崩さないものの、金融市場の業績改善に伴い、一部で貸出条件に緩和の兆しが見られ始めている。低金利、流動性の上昇、景気回復に関する楽観的観測の増加によって投資家のセンチメントが改善され、2009年第2・四半期に価格はほとんどの案件で割り引かれていたものの、一部市場で多数の取引が成立した。価格は、2009年第2・四半期を通じて、ほとんどのアジア・パシフィック市場で下落したが、下落率は前四半期と比較すると縮小している。価格の下落率が最大となったオフィス市場はシンガポールのラッフルズ・プレイスであり、前四半期比16.3%下落し、続いて僅差でオーストラリアのパースのCBDが同16.0%下落、さらに東京CBDが同14.0%下落した。香港のセントラルの価格は、区分所有建物に対する取得意欲の高さを受け、トレンドに逆行して14.6%上昇した、3) 賃貸市場では、多くの市場でテナントがプライムエリアやCBDから低コストエリアへ移動する現象が見られた一方、これによって生じた大規模な潜在空室や解約スペースが賃貸市場に影を落とし続けた、4)域内全域の不動産投資総額は2009年上半期に276億米ドルと前年同期比51%減少した。クロスボーダーの取引総額も前年同期比79%減少して41億米ドルにとどまった。取引総額が最大となった国は、日本(約150億米ドル)、中国、韓国(それぞれ約27億米ドル)、オーストラリア(約23億米ドル)で、ほとんどの国において取引総額は2009年第2・四半期が第1・四半期を上回った、5) 域内の賃料と価格は、全般的に2008年のピークから20%から60%下落し、今後も下落余地が残されている見通しである。経済のファンダメンタルズの改善から、大量供給が見込まれる市場を例外としたほとんどの市場は、2010年末までに反転し始めると予想されている。景気は段階的に回復を続けるという見解に基づき、アジア・パシフィック地域の不動産市場は、今後12ヶ月から18ヶ月間にかけて緩やかであるものの確実に回復すると予想する――としています。

ジョーンズ ラング ラサールについて
ジョーンズ ラング ラサール(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に特化したプロフェッショナルなサービス会社で、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、国内外を問わず世界中で広範囲な知識を有する専門家が、不動産に関するサービスを提供しています。グループの2008 年度の収益は約27 億ドルで、全世界の60 カ国、750 以上のマーケットにおいて180以上のオフィスを持ちビジネスを展開しています。 また、プロパティサービス及び企業向けファシリティマネジメントサービスにおける世界のリーディング カンパニーとして、約1 億3,000万平方メートル(3,934万坪)の不動産を管理しています。 ジョーンズ ラング ラサール グループにおいて不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネージメントは、総額約360 億ドル以上の資産を運用しています。詳細な情報はホームページをご覧下さい。
http://www.joneslanglasalle.co.jp
ジョーンズ ラング ラサールのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在では13ヶ国に79 の拠点を持ち、17,200名以上のスタッフがビジネスを展開するに至っています。