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News Release

Tokyo

アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト日本版 2013年第3四半期 (7‐9月)

東京オフィス賃料6四半期連続で上昇、空室率5四半期ぶりに低下


2013年12月3日 東京

 
総合不動産サービス大手のジョーンズ ラング ラサール株式会社(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長 河西利信 略称: JLL)は、不動産市場の需給、空室状況、賃料・価格動向を独自に分析し、12ヵ月予測をまとめたアジア太平洋地域の不動産調査レポート「アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト(APPD)日本版 2013年第3四半期」を発表しました。東京・大阪マーケット及びアジア太平洋地域の概要は、以下の通りです。

 
東京のAグレードオフィス市場
賃料
6四半期連続の上昇
月額坪当たり31,742円(共益費込)。前期比0.8%上昇、前年同期比2.2%上昇で、緩やかながら6四半期連続で上昇となった。

 
空室率
5四半期ぶりに低下
空室率は、4.3%(前期比0.3ポイント低下、前年同期比0.8ポイント上昇)。オフィススペース拡張や立地改善等の需要を受けて大手町・丸の内サブマーケットで大幅な低下がみられた。
 
ネットアブゾープション1 
2013年1-9月、堅調に推移
第3四半期は55千㎡、第3四半期までの累計は227千㎡となり、堅調に推移した。全体の約60%が大手町・丸の内、赤坂・六本木で吸収。製造業、情報通信業、金融業等による拡張、立地改善、耐震性能改善等の需要が牽引した。

 
供給
第3四半期の新規供給は32千㎡となり、ストックは前期比0.5%増加した。新規供給は六本木に竣工した「アークヒルズ サウスタワー」1棟のみである。

 
12ヵ月見通し
空室率は低下、賃料は上昇率が加速
賃貸市場では、需要は堅調に推移する見通し。2014年の新規供給は過去10年平均比160%程度となるものの、予約契約は総じて順調である。今後12ヵ月にかけて空室率は低下、賃料の上昇率は加速する見通し。投資市場では、賃料上昇を反映して価格が上昇、市場に提供される物件の希少性や投資家の関心の高さから投資利回りには低下圧力が加わる見通し。

 
1 当期中に新たに賃貸された床面積から当期中に退去した床面積を控除したネットの床面積の増減

 

 
大阪のAグレードオフィス市場
賃料
9四半期連続の小幅下落
月額坪当たり15,603円(共益費込)。前期比0.2%、前年同期比1.3%とともに下落。小幅ながら、9四半期連続の下落となった。
 
空室率
引き続き2桁台の高い水準
12.5%となり、前期比0.1ポイント、前年同期比7.5ポイント上昇。「グランフロント大阪」は成約が徐々に進んでいるものの、テナントの一部は梅田等に所在するAグレードオフィスから移転している。

 
ネットアブゾープション
マイナス900㎡、年初から第3四半期までの総計は56千㎡となった。需要は製造業、建設業、情報通信業等に牽引されたものの、総じてみれば集約が大勢を占め、新規や拡張が引き続き低迷した。

 
供給
第3四半期に新規供給はみられなかった。
 
12ヵ月見通し
空室率は徐々に低下、賃料は底打ち
近畿の大企業製造業の景況感が改善、9月の業況判断はリーマン・ショック前の水準まで回復している中、賃貸市場では、需要が緩やかに回復する見通し。一方、2014年の新規供給は抑制されることから、空室率は徐々に低下、賃料は底打ちする見通し。投資市場では、投資家の関心の高まりが継続する予測から、投資利回りに低下圧力が加わる見通し。 
 
JLLリサーチ事業部長の赤城威志は、「東京Aグレードオフィスの賃料は改善が続く需給関係を背景に6四半期連続の上昇となりました。売買市場も好調な株式市場が後押しとなり、活発化が更に加速しています。2020年のオリンピック開催も決定し、都市インフラを含め東京の不動産市場全体に対する世界からの注目度が更に高まってくることで、東京の不動産市場もプラスの影響を与えることが期待されます。としています。
 
 
東京のリテール(商業施設)市場
賃料
4四半期連続上昇、引き続き緩やかな上昇
月額坪当たり65,961円(共益費込)。前期比0.1%、前年同期比4.8%とともに上昇した。空中階における緩やかな賃料上昇を反映して、4四半期連続の上昇となった。
 
価格
前年比10.6%上昇
価格は前期比横ばい、前年比10.6%上昇。投資利回りは投資家の関心の高まりから低下圧力が加えられた。当四半期の取引事例には「ティファニー銀座本店ビル」と「カルティエ銀座本店ビル」が挙げられる。

 
12ヵ月見通し
空室は減少、賃料は上昇傾向で推移
消費税増税前の駆け込み消費や訪日外客数の増加等を反映して、今後小売業販売額は堅調に推移、アパレル業者や飲食店からの旺盛な需要が見込まれる。一方で、新規供給は引き続き抑制されることから、空室は減少、賃料は上昇傾向で推移する見通し。投資市場では、賃料上昇を織り込んで価格が上昇、投資利回りにはさらに低下圧力が加わる見通し。

 

 
東京のロジスティクス(物流)市場
賃料
9四半期連続の緩やかな上昇
月額坪当たり5,880円(共益費込)となり、前期比0.4%上昇、前年同期比1.0%上昇。
 
需要
3PL業者、卸売業・小売業者等からの新型物流施設に対する需要は引き続き旺盛となったものの、東京ベイエリアの空室は依然限定されていることから、主に東京圏内陸部の新規供給で拠点の新設や増設がみられた。
当四半期の賃貸事例にはヤマト運輸が「船橋物流センター」(賃貸面積32千㎡)を1棟賃借、「岩槻ロジスティクスセンター」(延床面積31千㎡)を賃借(賃借面積15千㎡)した事例が挙げられる。さらに、大手飲食料品卸売業・小売業者と東京ロジファクトリーが「プロロジスパーク川島2」(延床面積46千㎡)でそれぞれ27千㎡と15千㎡を賃借、当物件の契約率は、2014年の竣工予定に先立って100%となった。
 
供給
第3四半期に東京ベイエリアにおける新規供給はなかった。
東京圏の新規供給には「ロジポート相模原」(延床面積211千㎡)、「プロロジスパーク習志野4」(延床面積109千㎡)、「DPL三郷」(延床面積73千㎡)が挙げられる。「プロロジスパーク習志野4」の竣工時の契約率は100%となった。
当四半期に発表された今後の新規供給計画には2015年竣工予定の「GLP座間」(延床面積130千㎡)と「MFLP船橋西浦」(延床面積 31千㎡)が挙げられる。「MFLP船橋西浦」は大和コーポレーションの入居が決定している。
 
12ヵ月見通し
引き続き需要が供給を上回り、賃料も緩やかに上昇
経済状況の改善、通信販売市場の拡大、政府による物流効率化促進の流れを受けて、今後12ヵ月にかけて、東京ベイエリアにおける新型物流施設の賃貸市場では、3PL業者やインターネット通信業者による旺盛な需要が継続するとみられる。一方で新規供給は抑制される見通し。ストックが限定されることから、その需要のほとんどは東京圏内陸部、特に高速道路延伸により利便性が高まっている一部エリアにて吸収されるであろう。東京ベイエリアの需給ひっ迫は継続すると予想されることから、賃料は引き続き緩やかに上昇する見通し。ただし、東京圏内陸部で新規供給が集中する一部エリアにおいては緩む可能性がある。

 

 
東京のホテル市場
需要
客室稼働率は過去7年間で最高の75%超
訪日外客数は、2013年1~8月累計で前年同期比21.4%増の6.7百万人。2013年7月中の訪日外客数は記録的に多く、百万人を超えた。主に韓国ウォン高で韓国人訪日客が前年同期比32.3%増加したことによる。タイとマレーシアからの訪日客も観光ビザの規制緩和により、それぞれ前年同期比59.6%、20.0%増加した。国内の宿泊需要も2011年3月の震災後、順調に回復。円安、格安航空会社の人気、消費意欲の向上が相俟って日本人の国内旅行を促進。

 
供給
2013年第3四半期、4ツ星及び5ツ星ホテルの新規開業なし
2013年第3四半期、主な新規開業はなかった。また、年末にかけても、客室数248室を有する御殿山ガーデンホテル ラフォーレ東京のリブランドである東京マリオットホテルを除き、主要な4ツ星または5ツ星ホテルの新規開業は計画されていない。

 
運営パフォーマンス
短期的にはADR2の上昇 がRevPAR3の伸びを牽引
東京ホテル運営パフォーマンスは順調に推移しており、RevPARは2013年1~8月累計で前年同期比18.7%増の29,968円となっている。これは同期間における8.4%増の客室稼働率と5.8%増の平均客室単価(ADR)に支えられている。
 
2平均客室単価
31日当たり販売可能客室数当り宿泊売上
 
12ヵ月見通し
国内外の需要が牽引、ホテル市場は今後も成長
2011年3月の震災以降、旅行客数は回復基調にあり、国内外からの需要は堅調に推移することが見込まれる。短期的にはADRがRevPARの上昇を牽引することが予想される。また、2020年夏季オリンピックの東京開催が決まり、これによって今後7年に亘って需要が刺激され、客室供給の増加につながるだろう。新規計画が具体化するには時間がかかるため、既存のホテルがADR上昇という利益を得ることが考えられる。

 
JLLホテルズ&ホスピタリティ事業部 マネージングディレクターの沢柳知彦は、「年初来の円安傾向が持続しており、日本人レジャー需要の海外旅行から国内旅行へのシフトおよびインバウンド需要拡大が継続中です。また、ホテル投資マーケットも、運営パフォーマンス改善期待と金融緩和によるより良いローン条件を背景に活況を呈しています。」としています。

 
補足:本レポートの日本での調査対象地区は次の通りです。
東京CBD(中心業務地区):千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
大阪CBD(中心業務地区):中央区、北区
東京リテール:銀座と表参道のプライムリテールマーケット
東京ロジスティクス:主に東京都のベイエリア(品川区、大田区、江東区)
東京ホテル:特段の説明がない限り東京所在の5ツ星ホテルマーケット

 

 
アジア・パシフィック地域の不動産市場
概況
賃貸市場は低迷、投資市場は堅調
賃貸活動と投資活動との乖離が続いている。企業が慎重姿勢を崩しておらず、世界経済回復の確実性が高まることを待っているため、オフィス賃貸活動は未だ回復に転じていない。対照的に、投資活動は引き続き活発で、商業用不動産投資は当四半期も堅調。各市場は賃貸サイクルの様々なフェーズにあるが、共通してここのところの賃料上昇率は減速。こうしたトレンドに伴い、ほとんどの市場で価格が賃料を上回って上昇しているため、利回りは横ばいないし一層低下。

 
オフィス
企業のコスト節減から賃貸市場は回復途上
域内のTier I市場におけるAグレードオフィスの新規供給は前年同期比30%減の120万㎡となり、全体の約40%をインド、15%をオーストラリア、10%を上海が占めた。賃料が主要市場の半数近くで下落し、域内全体では前四半期比約0.2%下落。

 
リテール
賃料は緩やかに上昇
賃料はほとんどの市場で緩やかに上昇(2013年第2四半期同様、前四半期比0.5~1.5%上昇)。賃貸活動はインドで低迷が続いたが、東南アジアは健全となり、オーストラリアでは緩やかな改善を示す。中国では、高級ブランドが拡張を鈍化させる一方、中間層の小売業者、飲食店、新規参入海外ブランドは引き続き拡張を続けている。今後12ヵ月については、小売業者の需要はほとんどの地域で比較的健全に推移する見込みで、ほとんどの市場で緩やかながら賃料上昇が続くだろう。

 
インダストリアル
好調な小売業が需要を下支え
小売業者は2013年第3四半期もインダストリアル・スペースの賃貸需要を牽引し続けたが、輸出関連セグメントの需要は依然として低迷している。賃料の上昇率は、ほとんどの市場で控えめなペースとなり(前四半期比0.5~2.5%上昇)、最大となったのは香港であった。ほとんどの都市について今年は緩やかな賃料上昇が予想。

 
投資市場
投資総額は記録更新へ、日本は域内最大の市場
2013年第3四半期に、域内の投資総額は、前年比33%増の300億米ドルに達した。年初来の投資活動は900億米ドルで、通期では2007年に記録された1,200億ドルに達する見通し。日本は当四半期も域内最大の市場となり、国内外の投資家からの旺盛な需要から2013年第1~第3四半期の総投資額は前年同期比139%増となった。年初来の総投資額を都市レベルでみると、東京はロンドンとニューヨークに次ぐ世界第3位の市場となっている。

 
見通し
短期的な賃料・価格の上昇は限定的、2014年は改善へ
法人テナントは短期的に慎重姿勢を維持する見通しだが、来年は景気回復に沿ってオフィス賃貸活動が緩やかに回復するだろう。今後少なくとも12ヵ月間は低金利が続くため、投資活動はますます好調となると思われ、投資総額は2014年に1,300億ドルに達すると予想。ほとんどの市場とセクターで、賃料上昇率が徐々に拡大、一部市場では、利回り縮小が続くだろう。

 

 

 

 

 
ジョーンズ ラング ラサールについて
ジョーンズ ラング ラサール(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に特化したプロフェッショナルサービス会社です。世界中に存在する専門家チームが、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、総合的なサービスを提供しています。2012年度のグループ売上高は約39 億ドルにのぼり、全世界70ヵ国、1,000都市超の顧客に対しサービスを提供しています。 当社はプロパティマネジメントサービスならびに企業向けファシリティマネジメントサービスのリーディングカンパニーとして、約2億4,200万㎡(約7,300 万坪)の不動産を管理しています。 また、2012年の取引額は63億ドルに達しました。ジョーンズ ラング ラサール グループで不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネジメントは総額467億ドルの資産を運用しています。

 
ジョーンズ ラング ラサールのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在14ヵ国、80事業所で26,700名超のスタッフを擁しています。2013年インターナショナル・プロパティ・アワード・アジア・パシフィックでは3ヵ国で「最優秀不動産コンサルタント賞」を受賞、 また2013年ユーロマネー・リアルエステート・アワードにおいては9つの賞を受賞しました。​