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News Release

2009年第1・四半期不動産調査レポートを発表

テナント需要は減退、賃料・価格ともに下げ圧力


  ジョーンズ ラング ラサール株式会社(本社 東京都千代田区永田町、代表取締役 濱岡 洋一郎)はこのたび、東京を中心とした不動産市場の需給、空室状況、賃料・価格動向等を独自に分析するとともに、12ヶ月の予測をまとめた調査レポート『2009年第1・四半期アジア・パシフィック・プロパティ・ダイジェスト日本版(APPD)』を発表しました。今回から大阪オフィス市場の分析を新たに追加します。

2009年第1・四半期の東京オフィス市場の概観として、1)景気後退を受けて企業は一層の設備投資の抑制に取り組んでおり、テナント需要は集約や縮小などのオフィス再編を理由とした移転が大勢を占めた、2)Aグレードオフィスビルの空室率は5.1%となり前四半期の5.4%からほぼ横ばいで推移した、2) 第1・四半期の月額坪当たりの平均月額賃料は前四半期比-11.3%で、前年比-24.6%の37,247円と4・四半期連続で下落した、3)今後12ヶ月の見通しとして、世界的な景気後退は金融と実体経済の悪化の悪循環がさらに強まる可能性を示しており、わが国でも、輸出入量の急速な減少や継続する円高傾向が大きな懸念事項となっている。企業は業績悪化を受けて設備投資額の抑制を優先課題としており、今後も業務の効率化を目的とした縮小や撤退が増加するものと考えられるため、テナント需要は減退し賃料と価格はともに下げ圧力にさらされ続けるものと考えられる――としています。
 
  2009年第1・四半期の大阪のオフィス市場の概観として、1) 需要面から見ると、世界経済の低迷を受けて企業が新規雇用を控えたことや派遣人員の見直しにより、これまで大阪CBD(北区、中央区)Aグレードオフィスのテナント需要を牽引してきた人材派遣業者の勢いがなくなった、2) 空室率は4.9%で前四半期比0.8%の上昇となり総じて見れば需要の低迷により全体的に上昇傾向にあった、3)第1・四半期の月額坪当たりの平均月額賃料は前四半期比-9.1%、前年比-18.8%の15,764円と下落した、4) 今後12ヶ月の見通しとして、景気後退の影響が顕在化する中で、大阪Aグレードオフィスは2012年に予定されている大阪梅田北ヤードを筆頭に今後も大量供給が続くため、テナント優位の市場環境は継続し、今後も賃料調整は続くと予想される。一方で、大量供給が一時的に空室率の上昇を招く懸念はあるものの、Aグレードオフィスビルが数多く供給されることで需要が喚起され、築年数の古いオフィスビルからの移転需要も期待される――としています。
 
  2009年第1半期の東京の物流市場については、テナント需要は物流量の急減を受けて減退しており、オフィスセクターと同様に集約、縮小を目的とした動きが目立っています。今後12ヶ月の見通しとしては、物流量の減少と長引く景気低迷を受けて、今後もテナント需要は弱含みで推移し、賃料と価格はともに下落傾向で推移するものと考えられます。但し、売り手と買い手の希望価格の乖離幅は徐々に縮小に向かうものと予想されます。また、サステイナビリティに関連した取り組みは緊急課題であり、ロジスティクスセクターでもCO2排出削減に向けた積極的な取り組みが見られます。
 
  また、J-REIT市場については、2009年3月末時点で41銘柄が上場しており、時価総額は2.5兆円、資産総額は7.8兆円となりました。今期新たに上場した銘柄はなく、3月末時点のJ-REITインデックスは845.37と前四半期比-6.1%、前年比-42.1%と大幅な下落となりました。金融庁が、投資法人による劣後投資法人債の発行について法令上特段の支障がないとの見解を示したことを受けて、産業ファンド投資法人(IIF)は、J-REITで初となる無担保投資法人債の発行を決定しました。

  弊社リサーチ&アドバイザリー部門の責任者でローカル・ダイレクターの赤城威志は、「今期東京Aグレードビルの空室率は前四半期から僅かながら低下しているが、これは市場が改善している兆候とは考えていない。つまり、海外と比較して空室を避ける傾向の強い日本のビルオーナーが賃料を大幅に下げることで、既存テナントの転出防止や新規テナントの誘致を積極化していることの現れであると考えている。世界景気に明るさが見えテナント需要が本格的に回復するまでは、しばらく賃料の調整局面は継続するだろう」としています。
 
  アジア・パシフィック地域経済の特徴としては、1)各国内の各セクターで大幅な減速が見られ、Global Insightによると域内の経済成長率は2007年に前年比6.4%増、2008年に同3.5%増であったのに対して2009年は同0.5%減になると予測している、2)域内の多くの国(日本、韓国、台湾、香港、シンガポール、マレーシア、フィリピン、タイ、オーストラリア、ニュージーランド)で2009年にマイナス成長が予測されている。日本経済は2009年に6.6%のマイナス成長が予想され、2年連続の景気後退となる、3)アジア・パシフィック地域の持続的な景気回復には世界景気の改善が必要で、これは2010年半ばまでかかる見通しであることから、域内経済が成長に転ずるのは2010年で、2003年から2007年の平均水準まで回復するには2011年までかかる見込みである――としています。
 
  アジア・パシフィック地域の不動産市場の現状としては、1)域内全域で急激な調整が進み、賃貸市場では、売買市場のリスク上昇を反映して価格は全般的に下落を続け利回りは上昇している、2)売買市場では、2008年の商業用不動産の世界的取引総額は2007年の水準から50%減と大幅に減少し、3,780億米ドルとなった。そのうち、アジア・パシフィック地域の2008年の取引総額は2007年から30%減の850億米ドルとなった。ただし、下半期の取引総額は前年同期比56%減であった。依然として2009年第1・四半期も売買市場は低迷しているが、中国、台湾、日本等の市場では健全な財務基盤を有する国内投資家が取得を再開し市場をある程度下支えするだろう、3)2009年第1・四半期のオフィスセクターにおけるテナントの拡張需要は非常に限定的で、賃貸事例は移転と再契約に限られ、多くの市場で空室率が上昇しオフィス賃料は急落した。具体的には、シンガポールのラッフルズ・プレイスは前四半期比30.3%下落、香港のセントラル同25.4%下落、東京は同14.7%下落(すべて実効賃料ベース)となった、4)域内主要オフィス市場における賃料と価格は今後12ヶ月から18ヶ月間に更なる下落が続くが、同域内のほとんどの不動産市場は2010年に底を打ち、2011年以降は成長トレンドを回復する見通しである。また、アジア・パシフィック地域の不動産セクターは今後1-2年間で世界景気の回復の恩恵を享受でき得る――としています。

ジョーンズ ラング ラサールについて
ジョーンズ ラング ラサール(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産に特化したプロフェッショナルなサービス会社で、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、国内外を問わず世界中で広範囲な知識を有する専門家が、不動産に関するサービスを提供しています。グループの2008年度の収益は約27 億ドルで、全世界の60 カ国、750 以上のマーケットで180のオフィスを持ちビジネスを展開しています。 また、プロパティサービス及び企業向けファシリティマネジメントサービスにおける世界のリーディング カンパニーとして、約1 億3,000万平方メートル(3,934万坪)の不動産を管理しています。 ジョーンズ ラング ラサール グループにおいて不動産投資・運用を担当するラサール インベストメント マネージメントは、総額約410 億ドル以上の資産を運用しています。詳細な情報はホームページをご覧下さい。
http://www.joneslanglasalle.co.jp
ジョーンズ  ラング ラサールのアジア太平洋地域での活動は50 年以上にわたり、現在では13 カ国に79の拠点を持ち、17,400名以上のスタッフがビジネスを展開するに至っています。